Extremely Rapid Application Development Community (xRAD)

メルマガ抜粋第15号 リレーVOICE

  • HOME »
  • メルマガ抜粋第15号 リレーVOICE

(以下は、2014年4月22日発刊メールマガジンからの転載です)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆★

超高速開発への期待

情報システムの開発をする場合は、発注者の希望を聞き、何をしたらよいのか?
を明確にすることから始まる。要求を実現するために情報システムの設計を行い
実装することは、開発手法が異なっても、多かれ少なかれ同じプロセス(手順)を
踏むことになる。

要求が曖昧な場合は実装を少しして見せて「こんなもので良いだろうか?」と
確認しながら開発を進める方法「アジャイル方式」と、要求内容を厳密にしてから
進める方法「ウォーターフォール法(WF法)」に差が少し出てくる。

最初に提唱された方法がWF法である。要件を定義することは、人の頭の中の要望を
明確に定義しコンピュータに理解できる言語に変換することであり、多くの時間と
人手を費やすことが欠点であった。

その欠点を補うためにアジャイル法が提唱されてきたが、曖昧な要件をもとに
システムを作っては壊し、作っては壊す手法は結局ユーザー側にとってはお金が
かかる方法となって跳ね返ってくる。しかし、とにかく商品の販売開始時期に情報
システムの稼働を間に合わせるためには、この手法しかない。システム化の初期
時代に人手作業を機械化したが、次から次へと要望が増えるたびにプログラムを
追加したために「サボテンシステム」と呼ばれて、保守作業が不可能になって
5年目ごとに情報システムを作り替えねばならなかった時代も日本企業には存在
した。アジャイル法も同じ短寿命化の運命をたどる可能性を秘めている。

しかし、あまりにもウォーターフォール法は分業化しすぎたために、大量の
ドキュメントを作成せざるをえなくなり、工期は長くなり、情報システム開発の
生産性は低下してきたことも顕在化した事実である。情報システム開発の技術も
進歩しオープン化、Webシステム化が進んできたが、アジャイル法を超す手法
の登場が待ち望まれていた。

そのような背景の中に登場してきたのがxRAD超高速開発である。

1:要件定義や基本設計は従来のウォーターフォール法と同じようにできるだけ
詳しく見極めなさい。
2:画面設計はWEB技術を活用して画面を見ながら設計しなさい
3:コード化作業はゼロに近くしなさい
4:最少機能で本番化して、動かしながら機能増加していきなさい
5:リポジトリーを活用し要件定義設計、データベース設計、実装の間は
リポジトリーをフル活用して信頼性と生産性の向上をツールに委ねなさい
6:基礎的部分を開発したらリポジトリー機能を十分に使いこなし、機能追加を
しなさい。

などが超高速開発の特徴であるように見える。ここで曖昧な表現を使ったのは
超高速開発コミュニティには多くの多種多様な機能を提供している企業が参加し
必ずしもすべてのパッケージが上記1~6の機能をすべてカバーしているわけで
はないからである。

さまざまなツールは環境に適した中で使われれば良い。しかしツールの紹介の
多くが、「このツールを使えば今までの悩みがすべて解消されます」ごとき宣伝
で、それに乗せられ失敗している事例があまりも多い。適材適所であるべきなのに
無理した宣伝があまりもこの世界には多いのは問題である。

もう一つの問題は、使用実績を実績値で語ってくれない事例が多すぎることで
ある。たとえば「アジャイル法を使ったので開発工期が短くなりました」と表彰
された案件の工数と工期の関係は、ウォーターフォール法と比較しても少しも短
い工期ではなかったと認められる事例さえもある。

そこで各種開発法の特性を比較することに今回は挑戦してみた。幸いにも
JUASにはウォーターフォール法を中心にした10年分のデータが蓄積されて
ある。それとの比較ができる方法を見つければよい。

従来のシステムの評価値は「ファンクションポイント(FP)やテップ数、
機能数、データ要素数」などに基づいて計算されているが、新しい手法が出てく
るとかならずしも従来の方法が適しているとは思えない。今回はそこで画面数と
帳票数を基に試算する方法に挑戦してみた。

「ウォーターフォール法の帳票の開発負荷は画面開発負荷の2/3である。それを
JUAS Function Scale[JFS]と呼ぶことにした」。これを横軸に総費用、総工数、
総工期を縦軸にとって平均と関係式を求めた 。ウォーターフォール法は総費用を
2億円に絞って337件、アジャイルが51件、超高速開発法は43件のデータ
をもとに分析した。

超高速開発のデータは実装工期にしか効果が出ないパッケージもあるので、
効果のない開発フェーズはウォーターフォール法の工期、工数比を基準に換算をした。

その結果は次の通りである。(各開発法にはツールの費用は含まれていないので、
その費用分を加算して評価を修正してほしい。数値は参考値である)

1)JFS当たりの平均総費用([]内は対WF比率)
WF:112.2 アジャイル:135.45[1.31] xRAD:40.70[0.36]
2)JFS当たりの平均工数([]内は対WF比率)
WF:1.28 アジャイル:2.15[1.68] xRAD:0.48[0.37]
3)JFS当たりの平均工期([]内は対WF比率)
WF:0.31 アジャイル:0.24[0.77] xRAD:0.10[0.32]

アジャイル法、超高速開発法はまだデータ数が少ないのであえて参考値とさせ
ていただくが、この結果をじっくり眺めると、各種開発法の特徴が表れている。
超高速開発法は規模が10億円程度の規模システム開発の実績があるので、
アジャイルよりも大規模システムへの適用も可能であり、将来に期待したい。

この超高速開発法を使いこなすことにより、業務担当者が開発部門のSEを通さず
に情報システムを直接に機能の修正や追加をすることも可能になるので、情報処理
の業務分担の変化が起こる可能性を秘めていることも楽しみの一つである。

JUAS 日本情報システムユーザー協会 エグゼクティブ・フェロー 細川泰秀

Copyright © 超高速開発コミュニティ事務局 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.